松脂の塗りすぎに注意!ヴァイオリンを長持ちさせるためのお手入れ習慣
「音が掠れてきたから、もっと松脂を塗らなきゃ!」
そう思って、練習のたびに松脂を何十往復も擦り付けていませんか。
実は、良かれと思ってやっているその習慣が、音色を損なうだけでなく、大切な楽器の寿命を縮めてしまう原因になることもあるのです。
ヴァイオリンを一生の相棒にするために、プロも実践する正しいお手入れ習慣を身につけましょう。
松脂は「適量」が最も良い音を出す
松脂を塗る目的は、弓の毛と弦の間に適度な摩擦を作ることです。
しかし、塗りすぎると弓が弦に吸い付きすぎてしまい、ザラザラとした濁った音になってしまいます。
さらに、舞い散った松脂の粉が弦にこびりつくと、音程の安定感まで損なわれてしまいます。
基本的には、1時間の練習に対して2〜3往復程度で十分です。教室の生徒さんにも、弓を軽く動かしただけで「フワッ」と音が立ち上がる状態が理想的だとお伝えしています。
無駄な力を抜いたボーイングができていれば、少量の松脂でも驚くほど豊かに響くようになります。
一日の終わりに行う「30秒のケア」の重み
演奏が終わった後の拭き上げは、楽器への愛情表現そのものです。
松脂の粉や手の脂を放置すると、木材の表面を覆うニスと化学反応を起こし、固まって取れなくなってしまいます。
これが原因でニスの塗り替えが必要になるケースも珍しくありません。
柔らかい布で、まずはボディの表面を優しく撫でるように拭き、次に弦の下に溜まった粉を専用のクロスで取り除きましょう。
「今日も良い音をありがとう」という気持ちで行うこの30秒の習慣が、数十年後も楽器を美しく、健康な状態に保ってくれるのです。
