わが子の才能を信じるために。周囲と比べて焦ってしまう親御さんへのアドバイス
「同じ時期に始めたあの子は、もうあんなに難しい曲を弾いているのに…」
と、つい他の生徒さんやSNSで見かけるお子様と比べて焦ってしまうことはありませんか。
お子様の上達を願う親心だからこそ生まれる不安ですが、実は他者との比較は、お子様の才能を摘んでしまうだけでなく、親御さん自身のモチベーションも下げてしまいます。
子育て心理アドバイザーの視点から、わが子の成長を信じ、見守るための心の持ち方をお伝えします。
発達の旬は「一人ひとり異なる予約制」
子どもの発達には、一人ひとり異なる「旬」があります。最初から器用にこなす子もいれば、一見ゆっくりに見えても、内側でじっくりと音楽の土台を築いている子もいます。
これを教育学では「予約制の発達」と呼ぶことがあります。
大切なのは、横の比較(他者)ではなく、縦の比較(過去のその子自身)をすることです。昨日はできなかったこの1小節が、今日は音になった。
その小さな一歩を誰よりも先に親御さんが見つけ、喜んであげることが最大の特効薬です。
私の教室でも、進みがゆっくりだったお子様が、ある時ふとしたきっかけで爆発的な成長を見せる姿を何度も目にしてきました。
見えにくい「非認知能力」の育ちを認める
どうしても目に見える曲の進度や合格シールに目が行きがちですが、実はその裏で「粘り強さ」や「自分を律する力」といった、将来の学力にも直結する「非認知能力」が着実に育っています。
たとえ曲が仕上がるのに時間がかかっても、諦めずに楽器をケースから出し、鏡を見て形を直そうとしている姿勢そのものが、素晴らしい才能です。
親御さんが「今のままでも、あなたのペースで大丈夫」という安心感を与え続けることで、お子様は失敗を恐れず、自分の音楽をさらに自由に広げていくことができるようになります。
